ベイエリアに引っ越して来る際に、一番大変だったのはアパート探しだ。まず「サンフランシスコに住むか、サウスベイ(オフィスのあるマウンテンビュー周辺)に住むか」を決めなければいけなかった。

引っ越してくるまではそこまで分かっていなかったが、サンフランシスコとサウスベイは全く環境が違うのだ。雰囲気も、移動手段も、ライフスタイルも違う。そして、距離も結構ある。どこに住むかで生活が全然違ってくる、と事前に聞いていたが、引っ越してきた後に同僚の言っていることがよく分かった。

結論から言うと、最初の1年と3ヶ月はサンフランシスコ、それからサウスベイに引っ越したのだが、良いところと不便なところはそれぞれある。

最初に引っ越してきたときは、多くの同僚がサンフランシスコをすすめていたり、もともと都市に住むのが好きであったこと、車がなかったことなどから、サンフランシスコに住もうと心に決めていた。しかし、サンフランシスコのエリアについて詳しくなかったために、まず一ヶ月だけ短期的なアパートをサンフランシスコで探し、その間に実際にエリアを探索しながら長期的なアパートを探すことにした。

ただ、その短期的なアパートすら全然見つからなかった。アパートに関するメールが流れるたびに、即返信して空いているか聞いてみるのだが、既に空きがなかったり、場所がいまいち、家賃が高すぎ、ルームメイトが多すぎる、など、自分の探し求めているものがなかなか見つからなかった。引っ越す一週間位前に仮のアパートが見つかったとき、ホッとしたと同時に長期的なアパートを探さなければならなかった。引っ越してきた後の一週間は、アパート探しがあまりにも競争率が高いため、仕事そっちのけでそちらに労力を注がなければならなかった。

その後すぐに、幸い素敵なアパートとルームメイトが見つかった。それからはサンフランシスコに住んでみて本当に良かったと思った。バスや電車などの交通機関は充実しているし、スーパーも近くにある。友達と遊ぶときは気軽に出かけられるし、行きたいイベントも近くにたくさんある。

SFの最初のアパート近くにあったベイブリッジ

唯一の欠点は、通勤だった。これがなかったら今でもサンフランシスコに住んでいるかもしれない。サンフランシスコからサウスベイは渋滞がないと1時間くらいなのだが、通勤時は渋滞がひどいため、片道1時間半(ひどいときは2時間)くらいかかる。毎日3時間をシャトルの中で過ごしていたことになる。基本的に、シャトルに乗るとすぐにまわりの同僚はパソコンを広げて仕事を開始している。その光景を目の当たりにして、通勤初日にパソコンを広げて仕事をしてみた。しかし、開始した直後に車酔いに見舞われた。同僚にそのことを話すと、「数ヶ月すると慣れるから大丈夫だよ!」「車酔いを防止する手につけるバンドがあるよ。おすすめ」と言われた。薬局で購入したバンドも全く私には効果がなく、結局シャトルの中では毎日、寝るか、音楽を聴くか、携帯で少しだけメールをチェックするくらいしかできなかった。

また、辛かったのが、家に着いた直後にビデオ会議があったときである。既に渋滞のために遅れているのに、車酔いで気持ち悪くなっていることもあり、家に着いてからすぐにパソコンを開くのが辛かった。同僚には「あと5分後に参加する。遅れてごめん・・・」と言いながら、少し休んで会議をしていた。

通勤をなんとか続け、サンフランシスコでの生活を満喫したあと、サウスベイに引っ越すことを決心した。サウスベイは、環境ががらっと変わる。サンフランシスコに比べると、びっくりするくらい田舎である。周りには何もない。そして車がないとどこにもいけない。

そのことを知らず、初めてマウンテンビューのダウンタウンで食事に誘われたときに、「ダウンタウン」と言われたので、1時間半くらい早めに行ってショッピングをしようと思って行った。ダウンタウンというからにはショッピングモールなどがあると思ったのだ。ただ、行ってみて愕然とした。何もなかったのだ。レストランが少しあり、あと本屋さんが少しあるくらい。15分ほど散策して終了した。

そのときはサンフランシスコに住んでいて心から良かったと思ったものだが、今は大分サウスベイのゆったりした生活に慣れた気がする。

まず通勤が片道15分くらいになったので、自由な時間がたくさんできた。平日はそこまで出かけていたわけでもないし、これはかなりのメリットだ。週末はサンフランシスコに比べるとつまらないが、逆に平日はゆっくり、週末だけサンフランシスコに遊びに行くというスタイルになった。それはそれで悪くない気がする。そして、家賃。サウスベイもとっても高いが、それでもサンフランシスコよりは安い。

サンフランシスコとサウスベイ。どこに行っても通勤やアパートの話題はつきないし、どちらにも良いところと不便なところはあるので、一概にどちらがいいとは言い切れない。しかし、両方実際に体験してみて分かったことはたくさんある。

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